AC入試とAO入試の違い

「ハッカーと画家」という本を読み始めたところ、AC入試とAO入試の明確な違いを言語化できそうなのでこの記事を書いています。

AC入試とは

筑波大学の(他の大学で言うところの)AO入試です。詳細はこのブログでも何度か記事にしているので省略します。

AC入試とAO入試の違い

twitter.com AO入試に関してこのようなツイートが話題になっていたようです。 それに関連してか、AC入試に関するツイートもいくつかされていました。

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このようなツイートを見て「うーん」と考えていました。そして、「ハッカーと画家」の第1章『どうしてオタクはもていないか』を読んで納得したわけです。

この章では次のような文があります。

賢いこととオタクであることの間には極めて強い相関があり、オタクであることと人気者であることの間にはもっと強い負の相関があるというものだ。賢いとむしろ不人気になるみたいなんだ。

これをAO入試・AC入試に結びつけると「AO入試は人気者のための入試」であり、「AC入試はオタクのための入試」であるのではないかと思ったのです。

学力以外で華やかアピールポイントをたくさんつくることができる

というのはまさしく、「人気者」の特徴といえるでしょう。それがAO入試です。しかし、AC入試で求められているのはそんな「人気者」ではなく、「オタク」です。

AC生はたぶん、中高では好きなことにひたすら没頭して友達にも教師にも珍獣扱いされてきた奇行種…だと思うのだ

というのは「オタク」の特徴として間違いないでしょう。また、珍獣扱いされる人気者とは対極に位置しているというのも「ハッカーと画家」の記述に合致します。

また、AC入試で測られているのは単純な学力ではなく、知性に近いものではないかとも感じています。そのため、AC入試の合格者の学力は他の入試合格者に比べて低い傾向があるようです(私自身がそうであるように)。サンプル数は極めて少ないですが。 学力を強みとするならば前期・後期入試、一般的なAO入試のような強みがあるならば推薦入試、そしてオタク的な知性を強みとするならばAC入試、というような入試方式の役割分担があると思います。

話を『どうしてオタクはもていないか』にもどします。この問いの答えは端的に言えば「オタクは人気者になるためのリソースをそれに割かない、割けない」ということです。人気者になる努力をするよりもやるべきことがあるからです。実際、私自身としても服装に気を遣うよりも本を読んだりコードを書いたりするのを優先するし、別に不人気でもいいと思っています。そういうわけで、私はもてないし彼女もいません。でも正直、別にそれほど困ってないです。それよりも、優れたエンジニア(ハッカー)になるための努力に時間を使いたいです。

個人的な話に脱線してしまいましたが、言いたいことは「AO入試は人気者のための入試で、AC入試はオタクのための入試なんじゃないの?」ということでした。

ハッカーと画家 コンピュータ時代の創造者たち

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